自分で描いたイラストや子どもが描いた絵、お気に入りの写真などを「クロスステッチ図案にできたらいいのに」と思ったことはありませんか?
自分で完成サイズや使う刺繍糸の色数なども選んで、好きなデータで図案化することができる方法をご紹介します。

今回は私の娘が描いたぬいぐるみのイラストを見本にします。
このサイズで作りたいという完成サイズをあらかじめ決めてから図案化して、
お気に入りのイラストをポーチに仕立てました。

図案本から作った作品もいいけど、オリジナル図案で作成すると愛着もひとしおです。
クロスステッチ図案化に使うアプリ

私が普段図案を描く時に使っている2つのアプリをご紹介します。
8bit Painter(無料アプリ)
無料アプリなら圧倒的にこのアプリがおすすめです↓
8bit Painter(エイトビットペインター)は機能がシンプルなので初心者でもすぐにドット絵を描くことができます。

無料なので使用中に広告が流れますが、私は気になる程度ではないので無課金で使用しています。
キャンバスは16マス×16マスから192マス×192マスまでのサイズで描くことができ、
色はパレットから好きな色を自由に使えますよ。
自分でポチポチ1マスずつ色を付けて図案を描くこともできますし、
「画像インポート」という機能があり、手持ちの写真やイラストを図案にすることもできます。
ただ、画像インポート機能は高性能ではなくかなり粗い仕上がりなので、自分で修正することが前提になります。
8bit Painterは無料なのでまず試してみて、機能が足りないと感じたら次に紹介するアプリへのステップアップがおすすめです。
Stitch Sketch(有料アプリ)
次に紹介するのはこちらのアプリ↓

有料アプリにはなりますが、クロスステッチ図案をこれから沢山描いていきたいという方には相応の価値があります!

私が作成した図案(65×53マス)サイズがスマホで作成できるギリギリのサイズに感じました。
イラストから図案にする方法
ここからはStitch Sketchを使ってイラストを図案化する手順をご紹介します。
イラストを描く
まずは原本となるイラストを描きます。
鉛筆でもペンでもクレヨンでも絵具でも大丈夫ですが、
特にこだわりがなければペンなどの濃い筆記具使用がおすすめ!
今回はクーピーで子どもに描いてもらったので薄めでしたが、
可能であればカラーペンやクレヨンの方がより良いです。
濃い色で描くことで、後工程で図案を取り込む時に色がはっきり出やすくなります。
イラストの撮影
次にイラストをスマホで撮影します。
この時、メモ帳のスキャン機能やPDF化してくれるアプリで撮影してPDFにするのがおすすめ!
PDFはただの写真よりも背景と線をはっきりさせてくれるので、
後で画像をインポートした時に仕上がりが良くなります。
iphoneの純正メモアプリを利用する場合は、新規>クリップマーク>書類をスキャンでPDFを作成することができます。
PDFが作れたら、余分な部分を切り取りし、明るさやコントラストを調整します。

BEFORE

AFTER
スマホに最初から入っている純正アプリでもLightroomなどの画像編集アプリでも大丈夫。
ちなみに私はLightroomで以下の数値をいじりました。
- ライト>コントラスト +100
- カラー>彩度 +100
- 効果>テクスチャ +100
- 効果>明瞭度 +100
アプリで読み込んだ時に線や色ががしっかり分かるよう、画像がはっきりすればOKです。
これでインポートするための元データが完成しました。
イラストの取り込みと調整
PDFから作成したイラストをさっそくアプリにインポートしたいところですが…
ここからサイズ感とイラストのデザインがベストな状態になるように地道な調整が必要になります。
まずはStitch Sketchのトップページから「画像ファイルからの変換」を開きましょう。
そうするとこのような画面が出てきます。
- サイズ(=マス目数):自分の作成したいサイズを入力します。
- 色数:多ければ多いほど原画に近くなりますが、刺しわけるのが大変になります。
ただ色数が少なすぎるときれいに図案が作れないことも。
実際に使用する色は後から集約することができるので、
実際に刺したい色数より多めの設定がおすすめです。 - 編集モード使用:チェックは入れなくて大丈夫です。
そして画像を選択すると、図案が自動的に作られます。
サイズについて
完成サイズが決まっている場合はそれでいいのですが、
決まっていない場合や思ったような見た目にならない場合はサイズ調整が必要となります。
まずは今回の採用サイズである65マスの場合です。
サルの顔が一部つぶれていますが、修正で目を作れそうなのでこちらのサイズを採用としました。
こちらは100マスの場合です。
かなり線が鮮明に出ていてほとんど修正がいらなそうです。
こちらを採用するか迷いましたが、完成サイズが予定より大きすぎてしまうため不採用としました。
こちらは40マスの場合です。
イラストに対してマス目が足りなくて絵がつぶれていることが分かります。
この後修正を加えることを前提にして、どのサイズがベストかを試した上で最終決定しましょう。
色数について
色数もサイズと同じように調整が必要です。
この採用図案は65マス・6色で作成しています。
これを65マス・2色で取り込むとこんな感じになります。
サルやゾウの顔がつぶれてしまいました。
逆に65マス・20色で取り込むとこんな感じになりました。
結構きれいに線が出ています。
ですが今回は黒1色の線画をいったん作ろうとしているため、20色→1色だと6色→1色にするより作業量が増えてしまいます。
さほど違いもないので6色を採用としました。
色数も作りたい図案によって最適解がバラバラです。
ですが共通するコツは、最終的に使いたい色数より多い色数を設定してみること。
いろんな数を当てはめて調整してみてください。
イラストの修正
サイズ感とイラストのデザインのバランスがとれたら、実際に使用する図案になるよう修正をします。
このように、ただ取り込んだだけの状態だと、顔がつぶれたり目がかわいくありません。
そこで、元の絵と見比べながら、線を整えていきます。
画面上部にあるボタンを押すと、アプリが画像取り込み時に自動で設定したカラーコードが入力されています。
変更したい色を選択し、色を指定することで、一気にその部分の色を塗り替えることができます。
色の選択はカラーチャートからもできますし、刺繍糸の色見本(DMCもOlympusもcosmoもあります!)から選ぶこともできます。
こうして1色ずつ色を変更していきます。
最終的には線は黒1色にしたいのですが、一旦グレーも入れてグラデーションを分かりやすくしてみました。
ここから消しゴムと黒ペンを使って、実物の絵と見比べながら画像を整えていきます。
色を付けたら図案の完成です!
図案の印刷・保存
図案が完成したら、ファイル>変換>エクスポートもしくはPDFボタンで図案を保存や印刷できる形式にすることができます。
自分で作った図案をクロスステッチする
図案ができたらさっそくクロスステッチをしていきましょう。
クロスステッチの様子
図案を見ながら間違えないようステッチしていきます。

クロスステッチをされる方は大半が他の方が作った図案を刺すことが多いと思います。
自分の作った図案を自分で刺すというのはとても新鮮な気持ちになりますよ!
こんな感じで刺しあがりました。
仕立て
今回は、リバティのはぎれを使ったキルティングポーチに仕立てました。
作成に当たってはこちらの動画を参考にさせていただきました。
まとめ:好きなイラストや写真をクロスステッチ図案にしてみよう!
自分の好きな画像やイラストから自分だけのオリジナル図案を作る方法をご紹介しました。
自分で図案を作れるようになれば可能性は無限大。
いろんなものを作れちゃいます!
ただし、著作権・肖像権のあるものを図案化・ステッチする時はあくまでも私的な利用の範囲内にとどめましょう。
アプリを使ったオリジナルの図案作り、ぜひ試してみてくださいね。